お祭(おまつり)
再茲歌舞伎花轢,再茲歌舞妓花轢(またここにかぶきのはなだし)
申酉(さるとり)
(資料の題名『再茲歌舞伎花轢』)
『猿鶏の〔合〕花も盛の暑さにも、負けぬ気性と見かけから〔合〕
『言ずと知れしお祭の〔合〕姿もすつかり其処等中〔合〕行届かせて〔合〕こふもなく、此処では一つ彼処では〔合〕頭々と〔合〕立てられて〔合〕御機嫌ぢやのと町内の〔合〕家主方も夕日影、風も嬉しく戻り道
『モシ皆さんも御苦労で御座やす、こんな中でうけさせるぢやアねへが、ほんの事だが聞て呉りや
『自体去年の山帰、言ふは今さら過し秋
『初の一座の連の内、面白さうな口合に〔合〕
『好いたが因果好かれたも、心に二つはないわいな
『其の時彼奴が口癖に〔合〕
『あきらめて何の彼のと、ありや只の人、あか凡夫の我々なりやこそ、滅法けへに迷ひやす〔合〕
『お手が鳴るから銚子の替目と、あがつて見たればお客が三人、庄屋ぽん/\狐拳
『とぼけた色ではないかいな
『よい/\よんやな
『ヤレよい声かけや
『ヤアひけやひけ/\引物にとりては〔合〕花に霞よ子の日の小松〔合〕初会の盃馴染の煙草盆〔合〕おしやらく娘の袖枕〔合〕嬶の履物〔合〕内裏女郎の召物〔合〕座頭の褌あやめに大根〔合〕御神木の〔合〕注連縄〔合〕
『又も引物は色色御座る、湯元細工のけん玉ぶり/\、そさま故なら心のたけを、しめし参らせ候べくの、人形筆うり此の首を、長く出したり縮めたり、何と鈍いぢや有まいか
『実にも上なき獅子王の、万歳千秋限りなく、尽せぬ獅子の座頭と、お江戸の鑑ぞ有難き/\
(目次の題名『再茲歌舞妓花轢(武の内宿禰 網打 お祭)』本文の題名『お祭(さるとり)』)
国書刊行会『徳川文芸類聚』 俗曲上 第九 「柏葉集」
#変化物 #祭礼物 #物尽くし(引く物)
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