仲蔵狂乱(なかぞうきょうらん)
狂乱雲井袖(きょうらんくもいのそで)
(資料の題名『狂乱雲井袖』)
(資料の題名読み「きょうらんくもゐそで」)
〔鼓歌〕『いざさらば、ありし雲井の花の袖、思へばかゝる執着の
〔二上り〕『ていか蔓の離れぬ仲を、隔てられてもそもやそも、思ひ出すとは忘るゝからよ、なんの忘りよぞいたいけ盛り
『さても/\わごりよは、踊るふりが見たいか、踊るふりが見たくば、きたさがへ御座れの、きたさがの踊は対のぼうしをしやんと着て、踊るふりがよいとの、吉野初瀬の花よりも、紅葉よりも君が俤、うつゝにも夢にも見たや懐しや
『古にしことを聞くからに、比翼連理の契さへ、花に嵐の情なや、さらに別のなかりせば、千代も人には添てまし、よしやくさばに忍ぶとも、色にぞ出し我が恨
『千草も冬枯て、雲の彼方に春や来て、風に散り飛ぶ雪の花、ちりやちり/\漂ふ、君が袂に積るも嬉し、千々に心も乱れて
『恋しや昔床しやと、彼方へ慕ひ此方を慕ひ、別の床の台とぞ、人目もわかず伏転ぶ
#狂乱物
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データ入力日:2016/05/11