題名

傾城(恋といふ)(けいせい)

変化物としての題

拙筆力七以呂波(にじりがきななついろは)

別題

恋傾城,芝翫傾城(こいけいせい,しかんけいせい)

詞章

声曲文芸研究会『声曲文芸叢書』第2編 長唄集(明治42年)

(杵屋三郎助述)

〔本調子〕『恋といふ、文字の姿を判じ物、とけて思の種となる、鐘は上野か浅草か、其の約束を待つ宵の、風も浮気な仲の町
『根ごして植えし〔合〕
『初ざくら〔合〕
『移り気な色も香も、とめて素足の八文字、昨日の夢も夫れなりに、袖にたゝんで袂に忍ぶ、間夫の名宛を結び文、かしくと書いて又かへすくも、筆に言はする八重山吹を投入の、床へさし込む朧月、櫺子まで来て行く雁に、ちよつと恨を言ひ掛かり
『言葉もつれて胸ずくし、鶏の鳴くまで待せて置いて、何処の女郎奴と、しげりくきつて徒な
『エヽ手管か洒落かそんなその、野暮な口舌は奥二階、禿が目配のみこんで、味なそぶりの宵の客
『傾城の誠と雪に黒いはないものぞいの
『まだ言はんすか仇口と、ふつつりつめれば振り切る腕
『障子襖に音信れて、廊下をすべる上草履
『櫛簪も何処へやら
『恋にいさかふて、互に思の十寸鏡
『わりなき仲の戯れや
〔三下り〕『風薫る袂も軽き夏衣、干すてふ色と疑ふた、岸の卯の花咲くにつけ、初音またるゝ時鳥
『よい/\よんやさ
『/\
『あれ閨の戸をほと/\と、叩く水鶏にだまされて〔合〕
『枕もとらぬ蚊屋のうち、あけて辛気な鵜飼舟
『よい/\よんやさ/\
『秋の三日月くまもなく〔合〕
『はれて逢ふ夜の月の顔〔合〕
『いふも恥かし廿日の月の、残るを暁迄も待ち明す長月や
『雪の肌の面はゆく、霙か霜のうす化粧通ひ廓を見返りの、一本柳しぐれ/\て

タグ

#変化物 #廓

分類番号

00-2310000-k4a2s4a2-0001

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データ入力日:2016/05/11

長唄 傾城(恋といふ) 歌詞