助六(すけろく)
花翫暦色所八景(はなごよみいろのしょわけ)
〔本調子〕『傘さして〔合〕
『濡れに廓の夜の雨〔合〕
『店清掻に声添ふる、鐘は上野か浅草に、其の名も伊達な花川戸
『此の鉢巻の紫は、由縁ぞかゝる藤波の、洗ふて千代の色まさる、松の刷毛先つき額、堤八丁衣紋坂通ひ馴れたる塗鼻緒、ひとつ印籠ひとつ前、二重廻りの雲の帯、さした尺八鮫鞘は、これ御存知の出立ばへ
〔三下り〕『せくなせきやるな浮世は車さよへ〔合〕
『めぐる月日が縁となる/\
『恋の夜桜浮気で通ふ〔合〕
『間夫の名とりの通り者、喧嘩じかけや色じかけ、力づくならなに手管なら、流儀/\で向ふづら〔合〕
『たゞは通さぬ大門を〔合〕
『また潜るとは命がけ〔合〕
『土堤節をやめよ編笠を、とつて投るは曲がない、蹴込んで見せう楼船、こりや又なんのこつた江戸の花
『富士と筑波の山間の袖なりゆかし君ゆかし
『しんぞ命をあげ巻の、これ助六がまへわたり、風情なりける次第なり
#変化物 #曽我物 #廓
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