題名

名よせ草十番切(なよせぐさじゅうばんぎり)

詞章

『徳川文芸類聚』第10 俗曲下 『荻江節正本』

(本文の題名『名よせ草十番ぎり』)

〔フシ〕「よせかけてうつしらなみの。おとたかくときをつくつて〔コハリ〕かゝりけり。〔ハル〕あらおびたゞしの人人や。なんでうかれらがさゝゆるとも〔合〕なぎ立。〔ハル〕おつたて。〔合〕〔ハコビ〕やはかぬけいでおかふかと。こづま引あげかい/゛\しくゆかんとすれば。〔ニノギン〕ござんなれ。〔合〕おはもじながらとのごさへ。くどきおほせしいちしといきぢ。をなごどしなら何のそのおくせうじ〔外記ガ力リ〕たとへならえにかこふとも。こゝろをつくすちゝのあだ。〔上〕あゆみのいたまできりの〔ギン〕花けふうどんげのたうのてきかみのちからをかりやのしゆび。そらもさつきのやみのよに〔ギン〕うの〔七ツユリ〕花そよぐ〔合〕まがきの風〔合〕おとづれ見んとでたちしは。〔合〕あいきやうありしさかきのはな。〔中上ギン〕木ぶりもわかきこゝろから。ついかつ山とゆひたてて。〔合〕かついろ見せしばいくわのかほり。〔合〕ちり/\ばつとおくれがみ。これを見てあぢさいの。〔合〕はなやかにもひめゆりに。てうどうたれてちる花の。〔合〕うて。〔合〕なに〔アタル〕のこるつゆ〔ハル〕はらふ〔合〕はらふじまんも花がつみ。〔合〕かつて見せんといはつゞじひらくてこむて十二のかゝり。〔合〕えだおろし。〔合〕水ぐるま。〔合〕かぎぐるま。〔合〕むかふへおつつめうしろをきる。〔合〕どんとうたれしこしばがき。たかわらひしてひいたりけり。〔合〕いちどにかゝるまこもがり。かまのにさきにたまちる水。さつとたつては。〔合〕身をそむけ。すそをはらへばひらりととび。〔合〕ふたつつれたるからししの。〔合〕ぼたんはとしもはつかぐさ。〔ヒロヒ〕つゆふかみぐさはら/\〔合〕はらはぎももすそもほら/\/\。たがいにあらそふそのすがたさわべのあやめかきつばたあをひにもまるゝふぜいにて。しほらしくもまたいさぎよや。ほまれをよゝにのこしけれ。

分類番号

00-2310000-n1y5s4g3-0001
データ入力日:2016/09/14

長唄 名よせ草十番切 歌詞