題名

吾妻八景(あづまはっけい)

詞章

声曲文芸研究会『声曲文芸叢書』第2編 長唄集(明治42年)

(杵屋六三郎述)

〔本調子〕『実にゆたかなる日の本の、橋の袂の初霞、江戸紫の曙染や、〔合〕
『水上白き雪の富士、雲の袖なる花のなみ〔合〕
『御殿山なすひと群の、薫に酔し園の蝶、花の簪を垣間見に、青簾の小舟うたふ小唄の声高輪に〔合〕
〔二上り〕『遥あなたの〔合〕
『時鳥初音かけたる羽衣の、松は天女の戯れを、三保にたとへて駿河の名ある、台のよせいの弥高く、見おろす岸の筏守、日を背負ふたるあみだ笠、法のかたへの宮戸川、流れ渡りにいろ/\の、花の錦の浅草や、御寺をよそに流れ男は、何地へそれし矢大臣、紋日にあたる辻占の〔合〕
『松葉簪二筋の、道に碑露踏みわけて、ふくむ矢立の隅田川、目につく秋の七草に、拍子通はす紙砧〔合〕
〔三下り〕『忍ぶもじ摺り乱るゝ雁の玉章に便を聞ん封じ目を、きりの渡に棹さす舟も、いつ越えたやら衣紋坂〔合〕
『店清掻に引き寄せられて〔合〕
『つい居続けの朝の雪、積り/\て情の深み、恋の関所も忍が岡の、はちすによれる糸竹の調べゆかしき浮島の〔合〕
『かたなすもとにこもりせば〔合〕
『楽の音共に東叡よりも、風が降らする花紅葉、手に手合せてきせんの盟、弁財天の御影もる、池の辺の尊くも、廻りて見ん八つの名所

分類番号

00-2310000-a1d3m1h1-0001

音源(宣伝枠)

 
データ入力日:2016/05/11

長唄 吾妻八景 歌詞