題名

喜三の庭(きみのにわ)

別題

君の庭(きみのにわ)

詞章

声曲文芸研究会『声曲文芸叢書』第2編 長唄集(明治42年)

(資料の題名『君の庭』)

(杵屋勝三郎節)

〔三下り〕『牡鹿鳴く此の山里と詠みたりし、嵯峨野の秋の月の夜に、露の千種を踏分て〔合〕
『宿直姿の藤袴、駒ひきとめて休らへば、夫れとしるべの松風に、通ふ爪音身にしみて、合はす音色の笛竹や
『月の前の調は、夜寒をつぐる秋風、雲井をわたる雁がねも、琴柱に落る声々に
〔本調子〕『想夫恋の曲は、比翼の翅を恋ひ、盤渉調の調は、連理の枝に通ふ
『これはかしこき君が代に、わりなき中のひとふしを、諷ふも同じひと夜の君が、情にひかれて尋ねくるはの通ひ路に〔合〕
『七百年も昨日今日、菊のきせ綿うちかけに、桔梗刈萱女郎花
『店清掻の音につれて、色香あらそふ出立ばへ、萩の錦がふくめる露の〔合〕
『玉揃い〔合〕
『末は籬にせかれても、格子を覗く月影に、招く尾花の忍び音は、実に面白き仙境なり
『豊年の今年はひつじ八束穂の、いづるわたましに実入をはこぶ出来秋や、尚も千秋のたのしひと、うたい囃して祝しけり、うたひ囃して祝しけり

分類番号

00-2310000-k2m2n5n2-0001
データ入力日:2016/05/16

長唄 喜三の庭 歌詞