題名

四季の山姥(しきのやまんば)

別題

新山姥(しんやまんば)

詞章

声曲文芸研究会『声曲文芸叢書』第2編 長唄集(明治42年)

(資料の題名読み「しきのやまうば」)

『遠近の生活も知らぬ山住居、我も昔は流れの身、狭き庵に見渡せば、春は殊更八重霞、其の八重桐の勤の身、柳桜をこき交ぜて、都ぞ春の錦着て、手練手管の客をまつ
『夏は涼しの蚊帳の内、比翼の蓙に月の影、秋はさながら椽先に、三味線ひいてしんき節
『髪の乱れを簪で、かき上げながら畳算、眠る禿に無理ばかり、ほんに辛いぢやないかいな
『同じ思ひは鳴く虫の、松虫鈴虫轡虫、馬追虫のやるせなく何れの里に衣うつ、よくも合せたものかいな
〔二上り〕『ふりさけ見れば袖が浦、沖に白帆や千鳥たつ、蜆とるなる様さへも、あれ遠浅に澪標、松棒杭のがれ来て、ませた烏が世の中を、阿呆/\と笑ふ声、立てたるしびにつく海苔を、とり/゛\廻る海士小舟、うき絵に見ゆる安房上総
〔三下り〕『冬は谷間に冬籠る、まだ鶯のかた言も、梅の莟の華かに、雪を頂く草屋の軒端、あだな松風ふき落て、ちりや/\ちり/\/\/\パツト散るは胡蝶に似たる景色かな
『アラ面白の山めぐり、どつこいやらぬと取手の若木、此方は老木の力業、中よりふつとねぢ切る大木、かけり/\て谷間の、谷の庵に晏然と、其のまゝ其処に座をしめて、幾年月を送りけり

タグ

#山姥物

分類番号

00-2310000-s2k2n5y1-0001

音源(宣伝枠)


データ入力日:2016/05/16

長唄 四季の山姥 歌詞