姿の花(すがたのはな)
(目次の題名『すがたの花』本文の題名『すがたの花』)
「さりとてはひとりこがるゝ心のやみははれやらで。うつろふものは花の色梅がかほみんうぐひすの。谷より出てまださとなれぬしんき。心にやるせがほんにないぞへ〔合〕水のかゞみに顔みれば。見かはすほどのかみかたち。さりとはあゝいかならん、身のゆくゑ何と忍ぶのしのぶのみだれたれゆへに〔合〕朝な夕なの物思ひ。たれくみあげてとふ人も。わが身はひとりものおもふ。思へばゆめの世をしらで恋のしがらみせきとめよ。
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データ入力日:2016/09/13