子守(こもり)
大和い手向五字(やまとがなたむけのいつもじ)
(資料の題名『大和い手向五字』)
(増山金八述)
『オヤツかな、何としよへ、アイタヽヽヽ〔合〕膝頭をすりむいた〔合〕につくい鳶面、油揚さらふた、アヽ/\泣くなよい子ぢや、こんな物やろな〔合〕
『お月様いくつ、十三七つ〔合〕まだ歳やいかぬ〔合〕山だしが〔合〕
『私やどうでもかうでも、あの人許はあきらめられぬ、ぢやに由て、讃岐の金比羅さんへ、願でも掛けませうか
『仇口の花さへ咲ぬ生娘の、枝なりふりもぶつきら棒〔合〕鼻緒切らして片々さげて、かつくりそつくり幼児おろしてこれからは〔合〕
『並べたてたる人形店、サア/\サア安売ぢや、何でも彼でも選取ぢや〔合〕緑は禿紅は〔合〕花の姿の〔合〕姉さまを〔合〕口説文句は浄瑠璃で、聞覚えたを其儘に
『ほんに思へばあとの月、宵庚申の日待の夜、甚句踊や小唄節、数ある中にこなさんの、お江戸で言はゞ勇み肌、好いた風ぢやと背戸やから、見かじり申してなま中に〔合〕気も有松の藍絞〔合〕
『色に鳴海とうち明て〔合〕晩げ忍んで来めさるならば、コレナ嬉かろでは〔合〕ないかいな〔合〕
『何故と浮れて座頭の坊〔合〕
『冴えた月夜にやみ市ではないかいなア〔合〕やみ市なりやこそ真黒な〔合〕炭屋のお客とゆくわいな〔合〕座敷で何を弾んすへ、盆の踊になまめかし
『お前越後か私も越後、お国訛が出てならぬ
『新潟出る時涙で出たが〔合〕今は新潟の夢も見ぬ〔合〕オヽイ船頭さんよてかんせの、戻に鯨でも積でごんせの〔合〕
『踊をどらば品よく踊れ〔合〕品のよいのを嫁にとろ〔合〕
『松前殿様持物は、烏賊蛸海鼠ちんの魚〔合〕
『寄らしやんせ面白や
『またも鳶奴とろゝとは、太い奴と豆腐屋へ、子を引かたげて急ぎ行く
(目次の題名『大和い手向五字(子守)』本文の題名『大和い手向五字』『〔五変化の内〕子守』)
国書刊行会『徳川文芸類聚』 俗曲上 第九 「柏葉集」
#変化物 #鳶
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