題名

川柳二つの竹(かわやなぎふたつのたけ)

詞章

『徳川文芸類聚』第10 俗曲下 『荻江節正本』

〔ツヾミウタ〕〔吉次〕「いとゞさヘ〔ギンモツ〕うき人もがなわれはまた〔二ノギン〕むねにせまりしかず/\を。いふにいはまのこけしみづ。〔ゴサイガカリ〕水に。〔合〕ゑをかぐ〔ギンガハリ〕そらごとも。人はそれぞと。〔合〕ゆふ月よ〔ヒヤウシ〕〔此間藤蔵せりふ〕花が
「見たくばよしのへござれ
〔歌〕「いまはよしのの〔中ギン〕花もちりはて我つまの〔合〕〔カン〕はかなきすがた見るかげにいとゞ〔ギン〕おもひは〔三ノ上〕ますほのすゝき〔合〕〔ヒヤウシ〕みだれみだるゝわがこゝろうはのそらなるこのむねに〔合〕〔ニノギン〕まくづがはらの風さそふ。〔アタル〕さそふもつらし〔フシヲトシ〕ふりすてゝ〔合〕〔三ノギン〕あとに残りしかわいや〔ギンアタル〕こぎくたらちお恋しゆめにだに思ひあふてふいざ引つれてまいろまいろまつり見にまいろいやゝ〔合〕いのふとも〔三ノギン〕もどろともなにともそなたのおんはからひと〔アタル〕いふてはこごしにとりついた
〔藤蔵〕「いかにあんない申候
〔沢蔵〕「たれにてわたり候
〔藤〕ほうかぞうにて候たゞいままいる事よのぎにあらずわれらがおやのかたき候がかたきはまうぜいそれがしはたゞひとりおもふにかひなく月日をおくり候月のためにはうきぐものたねと心やなりぬらん
〔歌〕「おもしろのはなのみやこや〔合〕ふでにかくともつきせじ〔合〕〔三ノギン〕ひがしにはぎをんきよ水をちくるたきの〔二ノギン〕おとはのあらしにぢしゆのさぐらは〔モツギン〕ちり/゛\〔合〕〔ヲスギンガハリ〕にしはほうりんさがのおんてら〔合〕まはらばまわれ〔ヒヤウシ〕〔ヒロヒ〕みづぐるまのわのりせんせきの川なみ〔合〕かはやなぎは〔ハル〕みづにもまるゝしだりやなぎは風にもまるゝ〔合〕ふくらすゞめは〔合〕竹にもまるゝ〔合〕〔ハシル〕みやこのうしはくるまにもまるゝちやうすはひきゞにもまるゝ
〔吉次ウタイ〕「げにまこと。〔ナヲス〕わすれたりとよ〔ヒヤウシ〕こきりこは〔合〕ほうかにもまるゝこきり子のふたつの竹に代々をかさねてよゝをかさねてゆくみちは〔合〕〔三重力ゝリ〕見るめもなにとおもひ川〔合〕〔ヒロヒ〕しづごころなきそのふぜいことわりなりとぞしられける。

分類番号

00-2310000-k1w1y1n1-0001
データ入力日:2016/09/14

長唄 川柳二つの竹 歌詞