題名

旅寝の小蝶(たびねのこちょう)

詞章

『徳川文芸類聚』第10 俗曲下 『荻江節正本』

〔三下り〕「道のべにしみづ流る柳蔭しばしとてこそ旅まくら
「夢おどろかす
「鳥の声/\何々わがつまのゆくゑをしらすかうれしやとさまよふ姿は狂気とも三重四重五重七重八え
「花の故郷にひとりかもねん
「恋しゆかしさつまの跡をしたふてくる/\しやんとふくさ帯
「むすんだりとひたりてふのいもせごと
「うらやましげにうちながめ蝶こてふ
「しほらしぬふてふわれもこがるゝ恋すてふ君にあを葉/\と行もがな
「しらぬ山路や里越へて
「旅は道づれ世は情恋のさかりの小娘はしゆくで一ばん名とり草よいこの/\よいかほよ花色ならばヘ一夜も二夜もとまらんせと袖をひく褄をひく
「おなぐさみならさかなほどひく夜もすがら/\おうさてのふ
「関の小まんは亀山通ひおう扨のふ
「与作思へばてる日も曇る鏡山
「いざ立よりてくしげ鏡台化粧がほつまに見しよとてべにかねつけ
「春はござれよ
「かみじ山
「ゆくもかへるも伊達な出立の
「三宝荒神
「駒もいさむや鈴の音色も染わけ手綱面白の一ふし
「坂はてる/\
「鈴鹿は曇るへ
「あのいのつち山雨が降/\
「袖ふる鈴ふる
「天津乙女の舞の曲にもまさりし舞の面白や鈴の音
「さつさ時雨か蝉時雨濡ていとはじ夏衣
「すげ笠と
「女房は新のがよいと皆おしやんすけれど古わたしはすいじや
「もの里の夜ざくらとうろうの月見初雪つもるたのしさかこはれてからきふねこはがるうはきがちなるともじ様
〔二上り〕「かぐら月まづ新しきやぐらまく嬉しいやら心いそ/\手を引幕の
「女づれひいきぐみじやと名もあげ幕の内ぞゆかしき金屏の
「祭の幕のにぎやかさ
「波のうね/\船の幕
「それかあらぬか菊桐紫の幕
「勝どき上る陣幕も
「花を飾りて五色の幕は詠なりけり梅の東風ふかば吉野の花見幕
「春は嘸なん今は葉ざくら。

分類番号

00-2310000-t1b2n4n5-0001
データ入力日:2016/09/14

長唄 旅寝の小蝶 歌詞