題名

正札附(しょうふだつき)

本名題

正札附根元草摺(しょうふだつきこんげんくさずり)

詞章

声曲文芸研究会『声曲文芸叢書』第2編 長唄集(明治42年)

(資料の題名『正札附根元草摺』)

(杵屋六三郎述)

『それ磯山おほふ雲霧や、たゞ引幕の初霞、蹴やぶるせいは鳴瀧を〔合〕
『登る鯉龍の如くにて、曽我の五郎時宗は
『逆沢潟の重鎧、軽げに提げ駆け出すは〔合〕
『目ざましくも又見えにけり、裳裾にしつかり小林が〔合〕
『手を懸烏帽子鶴の丸、左右の髭に天津風、くもなくやらじと力量に、引けども/\動かばこそ、時宗笑つて振離し、いらぬ腕立よしやその、力あるともそりやゆかぬ、仁王立なる勢は、草木もなびく鬼神や〔合〕
『鬼をあざむく小林も、今は心を和らげて
『これ申し
『野暮な力は奥の間の、浮気らしさのしんき節、女子の愚痴な真実が、届かぬことか待つ夜半も
『蒲団重ねて敷妙の、枕の土俵化粧がみ
『間夫に逢ふ夜の力水、もらさぬ仲の文ずまひ
『人目をせきのうき思ひ煙草は憂さを忘れ草、煙比べん不二浅間、そつと覗いて、オヽ
『その顔はまあ憎らしやと、言ふては又も取付て、ゑいや/\と引ども押どもこりやどうぢや
『朝比奈力はそれきりか
『ムヽエヽ髭が試しの力瘤、落しやせぬかと撫廻し、引くに止まらばこらへて見よ、モサ/\/\
『べつそく踏しめ時宗は、時こそ来れ嬉しさよ〔合〕
『河津の声も身にぞ知る、今や遅しと夢の間も〔合〕
『忘れぬ父の仇敵、討んずものと飛上り、走り行かんとする所を、又もやらじと〔合〕
『引留る
『これまつた、留めてとまらぬナ、無理酒に気強い朝のひぞり言〔合〕
『何んじやいな置かしやんせ〔合〕
『肩に手拭そめも構はぬ江戸自慢〔合〕
『かまいますめうでんす、派手な処がわしや嬉し、エヽとまらんせ
『勇ましや
『互に争ふ勢は、前代未聞当世無双、後代無二の評判は、東に並ぶ二見潟〔合〕
『こゝにうつして神風や、恵も深く若者と、貴賎上下おしなべて〔合〕
『恐れぬ者こそなかりけり

タグ

#草摺引物 #曽我物

分類番号

00-2310000-s2y5a3h3-0001

音源(宣伝枠)


データ入力日:2016/05/16

長唄 正札附 歌詞