題名 †
汐汲（しおくみ）
変化物としての題 †
七枚続花の姿絵（しちまいつづきはなのすがたえ）
詞章 †
声曲文芸研究会『声曲文芸叢書』第2編 長唄集（明治42年） †
『松一と木変らぬ色の印とて、今も栄えて在原や
『形見の烏帽子狩衣、着つゝなれにし俤と
『うつしゑじまの浦風に
『床しきつてを白浪の、よする渚に世を送る
『いかに此の身が海士ぢやといふて、辛気／＼に袖濡れ／＼て
『いつか嬉しき逢ふ瀬もと、君にや誰か柘植の櫛、さし来る汐を汲まうよ、汲分て
『見れば月こそ桶に在り
『これにも月の入りたるや
『月はひとつ
『影はふたつみつ
『見られつも雲の上、此処は鳴尾の松蔭に、月を荷ふて
『休らひぬ
『見渡せば面白や、なれても須磨の夕まぐれ、漁る舟のやつしつし、浪を蹴たてて友呼び交す、はんま千鳥のちりやちり／＼、ちり／＼やちりちりちり／＼ぱつと塩屋の煙さへ
『立つ名厭はで三歳はこゝに、須磨の浦回の松の行平、立帰り来ば我も小陰にいざ立寄りて
『磯馴松のなつかしや
『かたみこそ今は仇なれ見初て初て
『逢ふたその時やつい転び寐の、帯も解かいでそれなりに、二人が裾へ狩衣を、掛てぞ頼む睦言に
『可愛烏のエヽ何ぢややら、泣いて別りよか笑ふて待か、又は来んとの約束を
『忘るゝひまは
『ない
『わい
『な
『それから深う言ひかはしまの
『水も漏さぬなか／＼に
『濡れによる身は傘さしてござんせ、人目せき傘いつあを傘と
『ほんに指折り其の日傘、待つに長柄のしんきらしそれへ／＼
『気をもみぢ傘白張の、殿御に操立傘も、相合傘の末かけて
『誓文真実褄折笠といはれたら、思もひらく花傘
『しほらしや
『暇申して帰る波の音の
『須磨の浦かけて村雨と聞しも、今朝見れば松風斗や
『残るらん松風の／＼、噂は世々に残るらん
タグ †
#変化物 #物尽くし（傘）
分類番号 †
00-2310000-s2a5k3m2-0001
音源（宣伝枠） †
小道具（宣伝枠） †
データ入力日：2016/05/16
