題名

江の島(えのしま)

詞章

声曲文芸研究会『声曲文芸叢書』第2編 長唄集(明治42年)

(資料の題名『江の嶋』目次題名『江の島』)

〔次第〕『筆も及ばじ江の島の/\、歩みも軽き余情かや
〔本調子〕〔唄〕『砂路遥かに見あぐれば、天女まします島蔭に、並ぶ妹背や男山、いつも廿の名にふれし、緑に目だつ額ぎは、うつる浪間の海士小舟、中を結びし魚の糸、人手に掛て引く網に、かゝる拍子の浜唄や
〔二上り〕『ぬれたヨ袖なら思の淵はヨ、あけし真砂の数よりも、しよんがいな、只いつとなく島の本
〔本調子〕『先ず拝せんと岩清水、心住吉あら神の、石は蝦蟇なる形にて、蝦蟇とは蛙の言の葉は、げにも興ある案内の子等と、笑ふ門なる福石の、辺尋ねて通宝の、文字の徳を得たりしは、外にも類も地震知らぬ、山とは更に事そへて
『うごく心の月の影、忍ぶの乱れ乱れかゝりし村雲の〔合〕
『迷ひの空や児桜、咲くも咲かぬも白菊の、しのぶの里に人問はゞ、思入江の島と答へよ、恋路の闇はありかたき、光にはれて影向の、岩ぞ神威のかたえなる
『そも当社両度の御祭は、本宮御旅所四神の旗、神幸其の日の巳の刻に、龍窟よりも渡らせ給ふ、警固りゝしき榊の仕丁白幣〔合〕
『勢たつる獅子頭、神具神宝行儀にそろへ、海岸峨々たる巖上を、桓々として厳重たり、谺にひゞく磯辺にも、浪の鼓の海青楽〔合〕
『蓬莱堂には鶴の舞ふ、此方は輝く金亀山、げにあらたなる金銀珠玉、十分に積み重ねたる富貴の鳥山、妙音菩薩の調も松に、吹きつたへてぞ限りなく、そのふし言の糸竹も、すぐなる神の誓なるべし

分類番号

00-2310000-a4n5s2m1-0001
データ入力日:2016/05/16

長唄 江の島 歌詞