猿舞(さるまい)
三升猿曲舞(しかくばしらさるのくせまい)
兵吉猿舞(ひょうきちさるまい)
(資料の題名『三升猿曲舞』読み「しかくはしらさるのくせまい」)
(杵屋六三郎述)
〔ウタイ〕『猿が参りてこなたの御知行
『まさる目出度き能仕る〔合〕
『踊るが手元及びなき、水の月とる猿沢の、池の小波悠々たり、指手引手の末広や
『月にたとへし止観の窓〔合〕
『此方のお庭を見あぐれば、片破月の宵の程
『可愛/\とさよへ、だまして置いて〔合〕
『松の葉越の月見れば、暫し曇りて又冴ゆる、あすは上手物舟が上手物〔合〕
『重たげもなくおよる君よの
『船の中には何とおよるぞ
『苫を敷寐の楫枕
『晩の泊は御油赤坂に
『吉田通ればナア二階から招ぐ而も鹿子の振袖が
『奴島田に丈長かけて、先のが品やる振り込めさ〔合〕
『手際見事に投草履、ありやんりや/\〔合〕
『こりやんりや/\、粹な目元にころりとせ仇物め〔合〕
『とめてとまらぬ恋の道馬場先退きやれ〔合〕
『色めく飾の伊達道具
『昔模様の華麗奴、これかまはぬの始なり
『まりの庭にも猿の神、厩の猿の馬れき神
『猿と獅子とは文殊の侍宿、時しも開く冬牡丹、花の富貴の色見へて、栄ふる御代とぞ祝しける
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