題名

紅葉狩(もみじがり)

本名題

色見草月盃(いろみぐさつきのさかずき)

詞章

声曲文芸研究会『声曲文芸叢書』第2編 長唄集(明治42年)

『物思ふ立ちまふべくもあらぬ身の、袖うちふりし心まで
『うつらふ秋の色みえて、此の身を何とゆふまぐれ〔合〕
『時雨るゝ空を眺めつゝ、浮れ出でたる道の辺の、草葉もともに下紅葉
『夜のまの露や染めぬらん
『面白や頃は長月末つかた、四方の梢もいろ/\に、錦彩どる山々は、花の吹雪のそれならで〔合〕
『五色の雪と降る紅葉、分けつゝ行くや益荒夫の、矢猛心の梓弓、ひくや知るべの駒の足、涙に川の流れ絶えせぬ紅葉葉を、渡らば錦中絶えん、時雨を急ぐ紅葉狩
『見捨て玉ふかつれなやと、袂にすがり止むれば、流石岩木にあらざれば〔合〕
『心弱くも引とめられて、所は山路の菊の酒、汲むや流のうき身にも、いとし可愛のよい殿御ぶり、ほんにお前を誰が抱て、ぬるでの紅葉色見草、他所の恋路のねたましや
『そもや誠が露程あらば、二世も三世も神かけて、忘るゝ隙はないわいな
『深い縁しも月に雲、花に嵐の恋すなる、月の盃さす袖も、雪をめぐらす舞の曲
『秋の木の葉の色に出し、紅葉踏む鹿憎いといへど、恋の文かく筆となる、かはゆらしいぢやないかいな
『秋の千草の色に出し、菊と薄は中よいけれど、露がしらせて濡を知る、可愛らしいぢやないかいな、アヽうらやまし
『今まで爰に色ある女忽化生の形を現し、紅葉の梢も火炎となつて、枯木木の葉もさら/\/\、めざましかりける次第なり

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#鬼

分類番号

00-2310000-m5m2z2g1-0001
データ入力日:2016/05/16

長唄 紅葉狩 歌詞