題名

花の友(はなのとも)

詞章

声曲文芸研究会『声曲文芸叢書』第2編 長唄集(明治42年)

(杵屋三五郎述)

『下総や武蔵の合のひと流、心も隅田の川上に、寄するは春の友なれや〔合〕
『つきぬ眺の花の香を、茶壷につめし初むかし、変らぬ色のいさほしに、飽ぬあそびのながしだて〔合〕
『たてし誓の行末は、その姥口のふとん釜、ふたりしつぽり嬉しい中を、誰が水さして替服紗〔合〕
『捌きかねたるなか/\に、思のたけの竹台子、その折すゑの末までも、月と花との戯れに、すぐるすさびの面白や
『見渡せば*1流れにうかむ一葉の、中の小唄の顔見たや、桜がものを言ふならば、さぞや悋気の種であろ、粹な隅田の水鏡、焦れあふたる舟のうち〔合〕
『余所の詠むめのもどかしや
〔二上り〕『君をまつ香の薫の床しさ
『恋の闇路の色ふかく、染る柳の瀬にうつる〔合〕
『風の姿のいとしさに、いつか誠をあかしてそして、約束かたき女夫石、はたで見る目の楽しさよ〔合〕
『花のかず/\数ふれば、松は朧に桜はゆかし、粹な山吹桃椿、藤妍に風も長閑けし

分類番号

00-2310000-h1n1n5t5-0001
データ入力日:2016/05/16

長唄 花の友 歌詞


*1 「見渡ばば」となっているのを訂正