題名

英執着獅子(はなぶさしゅうじゃくじし)

別題

執着獅子(しゅうじゃくじし)

詞章

声曲文芸研究会『声曲文芸叢書』第2編 長唄集(明治42年)

(資料の題名読み「はなぶさしゅうちゃくしし」)

『花飛び蝶驚けども人知らず
〔三下り〕『我も迷ふやさま/゛\に、四季折々の戯は、蝶よ胡蝶よせめて暫しは手にとまれ、見かへれば花の木蔭に、見えつ隠れつ羽を休め、姿やさしき夏木立
『心づくしのな此の年月を、いつか思の晴るやと、心ひとつにあきらめん、よしや世の中
『短か夜の夢はあやなあし其の移り香の、にくたておろか主なき花を、何のさら/\/\/\さらに恋は曲者
『露東雲の草葉に靡く青柳の糸しほらしく、二つの獅子の身をなでゝ、頭をうなだれ耳をふせ、花に宿借る浮世の嵐、彼方へ誘ひ此方へ寄りつ園の胡蝶に戯れ遊ぶ、己が友呼ぶ獅子の駒
『花にうつらふ恋の胡蝶の舞の袖
『恋すてふ比翼連理の可愛らし
『大宮人の庭桜、檜扇かざす緋桜の、地主の桜や瀧桜、月の影さへ明石潟、人丸桜袖硯、筆の命毛墨桜、誰が小桜や憎からぬ姨桜花桜
『名とりの廓に弾く三味の、手鞠桜のはづみよし、思ひ初めたよ糸桜、君の名のみきく桜、二人が恋の山桜、祈る誓も伊勢桜、色も変らぬ紫の江戸桜家桜
『面白や時しも今は牡丹の花の、咲や乱れて散るは/\、散り来るは散るは/\、散り来るは/\散り/\
『散りかゝるやうで、おいとしうて寐られぬ、花見て戻ろ/\、花には憂さを打忘れ
『人目忍べば恨みはせまじ、為に沈みし恋の淵、心柄なる身の憂さを、やんれそれは/\へ誠や憂や辛や
『朝な夕なに写す鏡のよい金性と私は水性でお前と深い
『それを疑ふことかいな、さらりと柳にやらしやんせ、柳に/\やらしやんせ、思い廻せば昔なり
『牡丹に戯れ獅子の曲、げに石橋の有様は、唱歌の花ふり簫笛琴箜篌、夕日の雲に聞こゆべき、目前の奇特あらたなり
『暫らく待たせ給へやと、影向の時節も今幾度によも過じ
『舞子図乱旋の舞楽のみきん/\、牡丹の花房匂ひ満ち満ち、たいきんりきんの獅子頭、うてや囃せや牡丹ぼう/\、くわうきんの瑞あらはれて、花に戯れ枝に臥し転び、実にも上なき獅子王の勢ひ靡かぬ草木もなきときなれや、万歳千秋と舞納め/\、獅子の座にこそ直りけれ

タグ

#石橋物 #物尽くし(桜) #獅子

分類番号

00-2310000-h1n1b3s1-0001

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データ入力日:2016/05/11

長唄 英執着獅子 歌詞