西王母(せいおうぼ)
八重九重花姿絵(やえここのえはなのすがたえ)
国豊かの西王母(くにゆたかのせいおうぼ)
(杵屋六左衛門述)
『国豊か三皇五帝の昔より、今此の御代に至るまで、かゝ聖主のためしこそ、あら有難の時代なれ/\
『桃李不言春幾干の歳月を、送り迎へて三千年に、なるてふ桃の花の顔
『露に色香も十寸鏡
『うつろうものは世の中の
『人の心の花ならぬ
『去りとては
『君が恵の深緑、いざや捧げん花も実もある桃の寿あら不思議やな水茎の、奇特現はれ忽に、花飛び散りてひてふの姿、雨を呼ぶとぞ見えにける
『雲ぢにうつれば王母もともなひ、天の羽袖の風に翻り、振り来る雨をうち払い/\、光を放つ稲妻の、雲に紛れて失にけり
#変化物
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データ入力日:2016/05/16