題名

鐘桜黄昏姿(かねにさくらたそがれすがた)

詞章

『徳川文芸類聚』第10 俗曲下 『荻江節正本』

(目次の題名『鐘楼黄昏姿』)

「そも入あひのかねの声じやぐめつゐらくとひゞけどもわれは思ひのあるゆへに真如の月をながめ明さんつれなき人のしわざゆへわか木の花をちらすかなしさつら/\世上をくわんずれば〔合〕うんしやうの花の宴春のあしたの御遊びに仙洞の〔合〕もみぢ秋の夜は月にたはむれいろ香にそみはなやかなりし身なれどもおとろへぬれば朝がほの〔合〕ひかげまつまのおもひの露。恨みをはらさんそのためにこれまで顕れきたるぞや。〔カカリ〕世の中のなさけは人のためならずわれ人のため〔ナヲス〕つらければかならず身にむくひのつみや数々の〔合〕千束にあまるたまはゝきあだになしたるはらだちやととびしさり立あがり〔フシヲトし〕ヲヽさりながら〔合ノ手〕
「みめやかたちや〔合〕〔入カン〕目もとにやほれぬ〔合〕心ばせにぞしよじまよへ〔合〕おしやればそれもそふ。それもそふ〔合ノ手〕
「かわい/\と〔合〕〔力ン入〕口にはいへど〔合〕なせるしわざにやきにやいらぬ〔合〕おしやればそれもそふ/\〔ナヲス〕忘るゝ隙もないわいな
「うらみさらに尽すまじ。思ひをはらさんまち給へとうかゞひよれどもこはいかに〔合〕人々眠ればよきひまぞとて立まふやうにねらひよつておもへばこの鐘うらめしやとてりうづに手をかけとぶぞと見へしがひきかづいてぞうせにける。

タグ

#道成寺物

分類番号

00-2310000-k1n4n2s1-0001
データ入力日:2016/09/14

長唄 鐘桜黄昏姿 歌詞