題名

鷺娘(さぎむすめ)

変化物としての題

柳雛諸鳥囀(やなぎにひなしょちょうのさえずり)

詞章

声曲文芸研究会『声曲文芸叢書』第2編 長唄集(明治42年)

〔鼓歌〕『妄執の雲晴やらぬ朧夜の、恋に迷ひし我が心
『忍ぶ山口舌の種の恋風が
『吹け共傘に雪もつて、積る思は淡雪の、消えてはかなき恋路とや
『思ひ重なる胸の闇
『せめて哀と夕暮に、ちら/\雪に濡れ鷺の、しよんぼりと可愛らし、
『迷ふ心の細流、ちよろ/\水の一と筋に、怨は外に白鷺の、水に馴れたる足どりも、濡れて雫と消ゆるもの
『われは涙に乾く間も、袖干しあへぬ月影に、忍ぶ其の夜の話を捨てゝ
『縁を結ぶの神さんに、取あげられし嬉さも、余る色香の恥かしや
『須磨の浦辺で汐汲むよりも、君の心は取り悪い、さりとは実に誠と思はんせ
『繻子の袴のひだとるよりも主が心が取りにくい、さりとは実に誠と思はんせ、しやほんにへ
『白鷺の羽風に雪の散て花の散しく
『景色と見れどあたら眺の雪ぞちりなん
『雪ぞちりなん
『憎からぬ
『恋に心もうつろひし、花の吹雪の散かゝり、払ふも惜しき袖笠や
『笠をや
『傘をさすならばてん/\/\日照傘それへ/\差し掛けて、いざさらは花見にごんせ吉野山
『それへそれへ匂ひ桜の花笠
『縁と月日を廻り来る/\
『車がさそれ/\/\そうぢやへ
『夫れが浮名の端となる
『添ふも添はれず剰へ、邪慳の刃に先立て、此世からさへ剣の山、一じゆの内に恐しや、地獄の有様こと/゛\く、罪を糺して閻王の、鉄杖まさにあり/\と等活畜生衆生地獄、或は叫喚大叫喚、修羅の太鼓は閑もなく
『獄卒四方に群がりて、鉄杖振り上げ鉄の、牙かみ鳴らしぼつ立/\
『二六時中が其の間くるり
『くるり追ひ廻り/\遂に此の身はひし/\/\
『憐み給へ我が憂身、語るも涙なりけらし

タグ

#変化物 #物尽くし(傘) #鷺

分類番号

00-2310000-s1g2m3s3-0001

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データ入力日:2016/05/16

長唄 鷺娘 歌詞