#author("2016-09-21T15:34:16+09:00","default:Tomoyuki Arase","Tomoyuki Arase")
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*題名 [#p5b0327a]
*題名 [#E88F004201]
菊慈童(きくじどう)
*本名題 [#l0318df9]
*本名題 [#E88F004209]
乱菊枕慈童(らんぎくまくらじどう)
*詞章 [#s3cb06ea]
**声曲文芸研究会『声曲文芸叢書』第2編 長唄集(明治42年) [#z0af824e]
*詞章 [#E88F004203]
**声曲文芸研究会『声曲文芸叢書』第2編 長唄集(明治42年) [#E88F004204]
(資料の題名『乱菊枕慈童』) 

『峰の初花谷の月、七百年も昨日今日、名をも彭祖と呼子鳥、覚束なくも唯一人、都の空を恋衣、夜半の嵐に梳り、旦の雨に髪洗ふ、木の葉衣の綾錦、われから染むる秋の色、菊の一夜の夢に咲く、思ひ出づるも恥かしや、実に古は宮中にて、錦の褥玉の床、君が情の言の葉に、露の契を重ね菊、いとし可愛も妹と背の、恋にも遥か十寸鏡、おろの妻恋ふ山鳥の、仇な仮寐もつれなきを、末白菊の玉かづら、人目の関は越えもせで、枕の科や乱れ髪〔合〕
『今は深山に世を捨て菊の、雁のはつかの便も絶えて、菊の葉末に書く文字の、筆の命毛切れ果てもせず、汲むや流の菊の酒、あいもおさへもひともと菊の〔合〕
『禿菊とはませ垣の、ませたなりふり川竹の
『縁に引るゝ名も可愛らし
『恋の命は初時鳥
『月の影さへ空懐しき
『二度のあふ瀬は時雨の紅葉
『見れば其のまゝ顔に火が
『高いも
『低いも色の道
『後は互に言ふことさへも、袖にわかるゝ留木の薫
『君と我とは飛び交ふ蝶の、二つ連れたる比翼の車、ちらりちらり/\ちらり
『袖や袂に
『春ならで、胡蝶の夢か幻か
『風に翼の白粉も、乱れ/\て糸の縺れや思の絆
『花にあこがれ月に浮れて、待つに来ぬ夜は氷の地獄に、せめられ身をきる剣はあだに、明ゆく八声の鳥鐘、火中の炎に苦しみて
『くるりくる/\日影の小車、われのみ物や思ひ顔〔合〕
『思へば昔し懐かしや、初春霞秋の風、四季物狂ひと人や問ふ、人の眺めも〔合〕
『袖にそよ/\吹く風を、恋風と思はんせ、オヽそれ/\それ誠/\〔合〕
『心も曇る胸の闇、かんならずエヽ月の夜に、御座んせつまがへさん、つまがへさん/\恋風と思はんせ、オヽそれ/\/\誠々〔合〕
『かさで逢ふ夜はナア、月の雲も面憎いとし、しんきな顔見たや、いとししんきのなん〔合〕
『/\情のそれが誠に、てんと誓文わが思〔合〕
『それが浮名のナ立つとても、こちや嬉し〔合〕
『いとししんきの顔見たや、いとししんきのなん/\情の、露や時雨やてんと誓文我が匂ひ、それが浮名の立つともこちや嬉し、散らぬ姿の乙女菊
『もとより薬の酒なれば、酔にも犯されず、その身も変らぬ七百余才を保ちぬるも、この御枕の故なれば、いかにも久しき菊の水、汲めや汲め/\尽せじと、菊かき分て山路の仙家にそのまゝ慈童は帰りけり
**『徳川文芸類聚』第10 俗曲下 『歌撰集』 [#q0af7f5d]
**『徳川文芸類聚』第10 俗曲下 『歌撰集』 [#E88F004205]
(目次の題名『菊じどう』本文の題名『幾久慈童(本外題 乱菊枕慈童)』)

〔一セイ〕「千代までとさきそふ花のまさりぐさ久しききみのためしかなくすりときくのむらのくも色ふかしみたに水 
〔詞〕(初五郎セリフ)「これはむかし周のぼく王につかへしじどうといへるものにて候 
〔ウタ上〕「みねのはつ花〔入〕谷の月七もゝとせもきのふけふ。〔合〕名をも彭祖とよぶこどりおぼつかなくもたゞひとりみやこの空を恋衣よはのあらしにくしけづりあしたの雨にかみあらふ〔合〕〔ハル〕このはごろものあやにしきわれから染る秋の色きくのひとよの夢にさへ思ひ出るもはづかしや〔合〕〔ヲン〕げにいにしへは〔ギン〕宮中にてにしきのしとね玉のとこ〔ヲン〕きみがなさけのことのはにつゆのちぎりを〔ハヅム〕かさねぎぐ〔イセイ〕いとしかはいもいもとせのこひにもはるかますかゞみおろのつまこふ山どりのあだなかりねもつれなきをすゑしらぎくのたまかづら〔合〕人めのせきはこえもせで〔入〕まくらのとがやみだれがみ〔合〕いまはみやまに世をすてぎくの〔下〕雁のはつかの〔ギンヲクリ〕たよりもたえてきくのはずえに〔ハル〕かくもじの。〔半大夫ブシ〕ふでのいのちげ〔ギンガハリ〕きれはてもせず〔ヲトシ〕くむやながれのきくのさけあいもおさへもひともとぎくの 
〔タゝキ〕「かぶろぎくとはませがきのませたなりふりかはたけの 
〔ハル〕「ゑんにひかるゝ名も。かはゆらし 
〔上ウ〕「恋のいのちははつほとゝぎす 
「月のかげさへそら。なつかしき 
「二どのあふせはしぐれのもみぢ 
「見ればそのまゝ顔に火が 
「たかいも 
〔上〕「ひくいもいろのみち 
「のちはたがいにいふことさへもそでにわかるゝ〔ナヲス〕とめきのかほり 
〔ヲトシ〕「きみとわれとは〔合〕とびかふてふのふたつつれたるひよくのくるまちらりちら/\ちらり〔合方〕 
「そでや〔ハル〕たもとに〔合方〕 
「はるならで〔合方〕 
「こてふのゆめかまぼろしか 
〔ヲトシ〕「風につばさの白粉も乱れ/\て糸のもつれや思ひの紲 
「花にあこがれ月にうかれて待つに来ぬ夜はこほりのぢごくに責られ身をきるつるぎは仇に明ゆく八こへの鳥がね火中の焔にくるしみ 
「くるりくる/\ひかげのをぐるまわれのみ物や〔合〕思ひがほおもへば昔なつかしやはつ春霞秋の風四季もの狂ひと人やとふ〔合〕人のながめも〔合〕袖にそよ/\ふくかぜをこひ風とおもはんせヲゝそれ/\/\まこと/\〔合〕〔上〕こゝろもくもるむねのやみ〔ハル〕〔合〕かんならずエエ月のよにござんせつまかへさんつまかへさん/\恋風とおもはんヲゝそれ/\それまこと/\〔合〕まこと〔合〕笠であふ夜はナア月のくもつらにくいとししんきのかほ見たやいとししんきの〔合〕なん/\なさけのそれがまことにてんとせいもんわがおもひ〔合〕それがうき名のナたつともこちやうれし〔合〕いとししんきのかほみたやいとししんきの〔合〕なん/\なさけのつゆやしぐれやてんとせいもんわれ *1 にほひそれがうき名のたつともこちやうれしちらぬすがたのをとめぎく 
〔ウタイ〕「ことはりやしらぎくのことはりやしらぎくのきせわたをあたゝめてさけをいざやくまふよまれ人もつらんずらん月ほしはくまもなし所はじんやうの江のうち酒もりしやう/゛\まひをまはふよあしのはのふえをふきなみのつゞみどうどうちこゑすみわたるうら風の秋のしらべやのこるらん 
〔ウタハル〕「もとよりくすりのさけなればゑひにもおかされずその身もかはらぬ七百よさいをたもちぬるもこの御まくらのゆへなればいかにもひさしききくの水くめやくめ/\つきせじときくかきわけて山路の仙家に其まゝ慈童は帰りけり。 
*その他の情報 [#fa3bc532]
宝暦7年(1757)8月初演 杵屋忠次郎作曲
『星合源氏車』の所作事(宝暦8年(1758)7月とも)
*関連項目 [#u3ead0fb]
*タグ [#c7b4a397]
*分類番号 [#n1f1e9cf]
『徳川文芸類聚』第10 俗曲下 『歌撰集』
*分類番号 [#E88F004214]
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*音源(宣伝枠) [#c40b65a2]
*音源(宣伝枠) [#E88F004215]
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データ入力日:2016/05/16
RIGHT:長唄 菊慈童 歌詞