#author("2016-09-21T15:27:41+09:00","default:Tomoyuki Arase","Tomoyuki Arase") #contents *題名 [#b20de1e7] 角兵衛(かくべえ) *本名題 [#s87faa72] 后の月酒宴島台(のちのつきしゅえんのしまだい) *詞章 [#bc64db43] **声曲文芸研究会『声曲文芸叢書』第2編 長唄集(明治42年) [#j79560f2] (資料の題名『后の月酒宴嶋台』目次題名『酒宴島台』) (瀬川如皐述) 『神楽囃して町々巡る、同じ世渡りの梅さくや 『笠の中さへ覗かれて、人も見送る愛嬌は、てんとおてんと、天から落ちた天人か 『わつちや嫌やの何馬鹿らしい、とても色にはこんな身で、成駒屋ならそれこそは 『此方も首たけ浜村屋、なぶらしやんすな世は情、旅ぢやなけれど道連に、なるとはなしの後や先 『えつちら越後の山坂超えて来て見りやほんに江戸の花、いつも黄金の真盛り 『花に浮れりや喉さへかはく、酒がなほしやさりとては、まだ/\イヤハよいとな/\獅子の洞入洞返り、すめじや互の思ふこと 『岩木ならねば恥かしの、森の烏か鷺ならせめて、ひとつ塒のオヽ嬉し 『待な町々御贔負の、若者そだてる通りもの、さばくは年の高麗屋、宵の媒人花に酒、持せて奥へ走り行く 『こんな無様の真実は、お前のお気に入りたさの、蟻の思も天とやら、どうで女房にやなられぬけれど、せめて優しいお言葉に、あまへた女子ぢやないかいな 『云ふてもお呉れた月がたの、田舎者ぢやとお嬲か、思ひ比べをせうならば、浅間の煙と煙草のけむり、矢庭に惚れた正直男 『また嘯らしい真顔で人をたまさかも 『ほんにさうなら山の奥 『千尋の海の離れ島 『二人暮さば都も同じ 『嬉しい世帯で有るぞいな 『あるは厭なり思ふはならの 『木賃銭さへまだ取れぬ、遊び過して 『風邪ひいた、うつかりのろさのお恥かし 『ほんに茶かした獅子舞さん、わつちもそんなら地廻の、伝法肌で素見の、 〔投節〕『親兄弟に迄見はなされ、あかの他人の傾城に、可愛がられふ筈はなし、オヤ 『聞たやうだよ 『籬の清掻せつかいで、掻き廻したるてんてつとんだ間夫と客 『仇な恋路の色里通ひ、夜は軒端に立つくす、エヽ待はいなお部屋の目顔があるわいな、無理な首尾して逢ふたが憎いかへ、去とては恋には粋も愚痴になる、是は五色の色のほか 〔唄〕『柴田五万石あらそとまゝよ 『新潟通ひがやめらりが 『きさく悪性が浮世にや徳で、ねまり地蔵へ色の願跣足参りの土踏ず 『内の嬶殿疳癪おさへて、夜まも昼まも三度ぐり 『さのせ/\さのせつせのせ、せつたら黄粉の稗団子搗てほし 『沖のへ沖の題目波に浮んで風に揺れて 『朝日にかゞやく夕日がたなびく 『南無妙法蓮華経 『南無妙法蓮華経 『あじよだか当世ひねりが流行る、客が女郎衆の機嫌さづまも逆さ竹 『さいばま三里をのるとても 『米山三里を乗るものか 『さまはナヘ八ツ目のある鰻の性で 『ぬらりくらりと気が多い 『国の訛の笑ひ草 『身のすぎはいと八百八品 『八百八丁御贔負の 『お恵願ふ 『お取立 『仰ぐ舞台ぞ千代の寿 *その他の情報 [#uc01f1bd] 文政11年(1828)9月初演 二世瀬川如皐作詞 四世杵屋三郎助作曲 初演時は常磐津との掛合で常磐津の作曲は三世岸沢式佐 *関連項目 [#h34ed04a] *タグ [#h4b06300] #変化物 #獅子 *分類番号 [#o75079c1] 00-2310000-k1k3b4a4-0001 RIGHT:長唄 角兵衛 歌詞