#author("2016-10-21T11:38:51+09:00","default:Tomoyuki Arase","Tomoyuki Arase")
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*題名 [#v580aa00]
三保の松(みほのまつ)
*本名題 [#z6f2c3bf]
三保松富士晨明(みほのまつふじのあけぼの)
*詞章 [#c2c2ccb1]
**声曲文芸研究会『声曲文芸叢書』第4編 常磐津集(明治42年) [#jb78e538]
(資料の題名『三保松富士晨明』)

(河竹黙阿弥述)

『ほの/゛\と、明行く空の雲晴て、千本の松に風もなく、波も静けき君が代の、恵を仰ぐ朝日影
『東を照す宮の名も、高き山路の久能山遠く望めば玉櫛笥、箱根が嶽の二子山、近き眺めは青嵐、吹上の浜薩?越
『岸打つ波の清見潟、清水の湊朝込に、船の往来の真帆片帆風のまに/\風早の、御穂の社の三保神楽
『音に聞へし羽衣の、松は常磐に色変ず幾年古し物語
『有渡の浜辺へ雲井より、天津乙女が天降り、松に掛たる羽衣を、漁り人に拾はれて、帰るよすがも荒磯の、荒れ笘屋に果敢なくも、結びし夢の別路に、吾妻遊びと夕汐に差手引手の駿河舞〔合方〕
『霓裳羽衣の一曲に、袖を返して帰る波
『其乙女には劣るとも、伊達を駿河の弥勒町
『通ひ廓の遊女に、旅寐の憂を忘れ草、朱の煙管の長かれと、かはす袖師のうらなくも
『語らふ間さへ短夜に、別れともなく興津川
『又の御見と約束の、日取数ふる後朝に
『鐘に恨みぞ有明の、月は残れる吐月峰
『あとへ心は残れども、狐が崎の名もあれば、是も手管と菴崎や
『手越の里の少将が、昔を忍ぶ厚原の、曽我の祭の賑しく、賎機山の賎女が、浮島が原浮立ちて
『田子のヱゝ田子の浦辺へ打来る波へ、姿うつして見る水鏡、雪の化粧の其美しさ、誰に靡くか夕煙、しよんがいなわけもなや
『実に時しらぬ山といふ、不二は四時に変りなく、三保の松原千代かけて、枝葉栄ふる常磐津の、賑はふ家ぞ目出度けれ
*その他の情報 [#bf230204]
明治25年(1892)頃 河竹黙阿弥作詞 六世岸沢式佐作曲
*関連項目 [#c788932b]
*タグ [#ke8a275f]
*分類番号 [#m9d01dff]
00-1331200-m2h5n5m1-0001
RIGHT:常磐津 三保の松 歌詞