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#author("2016-10-21T11:28:34+09:00","default:Tomoyuki Arase","Tomoyuki Arase")
#contents
*題名 [#a9b8076e]
保名(やすな)
*変化物としての題 [#h5af01dd]
深山桜及兼樹振(みやまさくらとどかぬえだぶり)
*別題 [#u32dc1b0]
小袖ものぐるい(こそでものぐるい)
*詞章 [#o285a92c]
**声曲文芸研究会『声曲文芸叢書』第3編 清元集(明治42年) [#n6fcd2d2]
(資料の題名『深山桜及兼樹振』)
『恋よ恋、われ中空になすな恋
『恋風が来ては袂にかいもつれ
『思ふ中をば吹わくる、花に嵐の狂ひてし、心そゞろに何処とも、道行く人に言問へど、岩堰く水と我が胸と、砕けて落る涙には、片敷く袖の片思ひ
『姿もいつか乱髪、誰が取上ていふことも
『菜種の畑に狂ふ蝶、翼交して羨し、野辺の陽炎春草を、素袍袴に踏みしだき、狂ひ/\て来りける
『なんぢや、恋人が其処へいたとは、どれ/\どれ、エヽ復嘘言ふか訳もない
『あれ、あれを今宮の
『来山翁が筆ずさみ、土人形のいろ娘
『高嶺の花を折ることも、泣いた顔せず腹立てず
『悋気もせねば温順しう、あら現無の〔合〕妹背中〔合〕主は忘れて御座んせう
『しかも去年の桜時、植えて初日の初会から、逢ふての後は一日も、便聞かねば気も済まず、うつら/\と夜を明し
『昼寐ぬ程に思ひつめ、偶にあふ夜の嬉しさに〔合〕さゝ事やめて語る夜は、いつよりもつい明易く、去のう去なさぬ口説さへ
『月夜鴉にだまされて、いつそ流して居続は、日の出るまでも夫なりに
『寐やうとすれど寐られねば、寐ぬをうらみの旅の空
〔二上り〕『夜さの泊りは何処が泊りぞ〔合〕草を敷寐の肱枕/\、ひとり明すぞ悲しけれ/\〔合〕葉越の葉越の、まくの内、昔恋しき面影や移香や、その面影に露ばかり
『似た人あらば教へてと、振の小袖を身に添へて、狂ひ乱れて伏沈む
**国書刊行会『徳川文芸類聚』 俗曲上 第九 「柏葉集」 [#tf28d33b]
(目次・本文の題名『深山桜及兼樹振(保名)』)
〔ウタヒ〕「恋よこひわれ中ぞらになすなこひ
「恋風が来ては袂にかいもつれ思ふ中をば吹分くる花に嵐の狂ひてし〔合〕心そゞろにいづくとも(合)道行く人に事問へど〔合〕岩せく水とわが胸と砕けて落つる泪にはかたしく袖の片思ひ〔合〕
「姿もいつか乱れ髪たが取上げていふ事も菜種の畑に狂ふ蝶つばさかはしてうらやまし〔合〕野辺のかげろう春ぐさを〔合〕すわふ袴にふみしだき狂ひ/\来りける
〔詞〕「なんじや恋人がそこへいたとはどれ/\/\エヽまたうそいふかわつけもない事いふはいやい
「アレあれを今宮の
「来山翁が筆ずさみ土人形の色始たかねの花や折る事も泣いた顔せず腹立てず〔合〕
「悋気もせねばおとなしうアラうつゝなの〔合〕妹背中〔合〕
「ぬしは忘れて〔合〕ござんせう〔合〕しかも去年の桜時植ゑて初日の初会から〔合〕あふての後は一日もたよりきかねば気もすまずうつら/\と夜をあかし〔合〕ひるねぬ程に思ひつめ〔合〕たまにあふ夜のうれしさに〔合〕さゝごとやめて語る夜はいつよりもツイあけやすくいのふいなさぬくぜつさへ〔合〕
「月夜がらすにだまされていつそながして居つゞけは日の出るまでもそれなりに
「ねよふとすれどねられねばねぬをうらみの旅の空
〔二上り〕「よさのとまりはどこが泊りぞ草をしきねのひぢ枕/\ひとりあかすぞかなしけれ/\〔合〕葉ごしの/\幕の内〔合〕むかし恋しきおもかげやうつりがやそのおもかげにつゆばかり
〔ナヲル〕「似た人あらば教へてとふりの小袖を身にそへて狂ひ乱れて伏沈む。
*その他の情報 [#ka9cd53d]
文政元年(1818)3月7日初演 清沢万吉作曲
『曽我梅菊念力』(そがきょうだいおもいのはりゆみ)の大切所作事
*関連項目 [#p279ff43]
*タグ [#eaf09245]
#変化物 #狂乱物
*分類番号 [#a8220be9]
00-1331211-y1s3n100-0001
RIGHT:清元 保名 歌詞