#author("2016-10-20T15:30:52+09:00","default:Tomoyuki Arase","Tomoyuki Arase")
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*題名 [#gfbbd3e5]
十二段(下)(じゅうにだん(げ))
*詞章 [#s45558f4]
**声曲文芸研究会『声曲文芸叢書』第2編 長唄集(明治42年) [#k108de5b]
〔三下り〕『姫も思の近まさり、ぞつとする程いとしさと、逢ふ嬉しさと遣瀬なき、言はねば胸に騒がれて、人目はかれぬ恋草の、思ひ千束の文ならで、水に絵をかく筆茅花、うら紫の袖几帳、それと悟りておもと人、面ふせやに言ひかねて、お茶の通の愛想に、姫の心を汲みかはす〔合〕
『濃染色の口切も、粹で立派な前髪さまよ、尋ねて来まゝせ杉の門、三輪の酒屋の娘ぢやないが〔合〕
〔二上り〕『竹にサア雀はナアエ品よくとまるナアエ、とめてとまらぬ恋の道、とめさせ給へと押やれば、今さら何と姫はなほ、岩にせかるゝ瀧川の、われから濡るゝ花の雨、君が恵に咲き初めて、うつろふ色はしら糸の、もつれて解けぬお心と、夜の伏籠の香に匂ふ、恥かし盛り恋ざかり〔合〕
『立ならびては深き木の、花のあたりのあすならふ、わらはゝいやし陸奥の金商人の吉次が下部、いゝやつゝめど紅は、園生に植えてかくれなき、君は源氏の左馬の頭、義朝公の公達にて、牛若丸とは申さずや今日の今宵の殿もうけ、御座うつりとてすゝめられ
〔本調子〕思ひよらずや往昔は、日影鞍馬に人となり、世を牛若とも名乗らじと、つれなく見えし若君の、袖よ袂よとり/゛\に、閨の睦言私語〔合〕
『妹背の中を陸奥の十府にやおちいで語るにおちる、君が七布に我が三布にさんさ/\寐よもの我が三布に、寐よげ見えし御風情
『はや明ちかき鳥鐘に、またの逢瀬を誓して、数の杯納まる御代、相生松の万代と、御門出を祝しの楽〔合〕
『またも調ぶる玉琴や、かつこどびやうし笛の音も、時の調子をゑてん楽、春鶯囀の楽の音も、きく春風と諸共に、花を散してどうと打つ、秋風楽は秋の風、波を響かしどうと打つ、万歳楽は万うち
『青海波とは青海の、波立ちうちはさいさうろふ〔合〕
『ばとうの曲はかへり打ち、うつなり/\、さつさと尽きせぬ御代のしるしとて、流は絶えぬ一河の東、都の水も末清き、語り伝へて睦じや、語り伝へて睦じや
*その他の情報 [#h9bbbc50]
*関連項目 [#j2625d82]
[[十二段(上)]]
*タグ [#t2a250b8]
#物尽くし(舞)
*分類番号 [#jb9b1711]
00-2310000-z2y3a3n2-0002
RIGHT:長唄 十二段(下) 歌詞