#author("2016-10-21T11:27:15+09:00","default:Tomoyuki Arase","Tomoyuki Arase")
#contents
*題名 [#i1372600]
文屋(ぶんや)
*変化物としての題 [#h2079eb1]
六歌仙容彩(ろっかせんすがたのいろどり,うたあわせすがたのいろどり,ろっかせんすがたのさいしき,ろっかせんすがたのいろざし)
*別題 [#gff59d07]
文屋の康秀(ぶんやのやすひで)
*詞章 [#p2581e91]
**声曲文芸研究会『声曲文芸叢書』第3編 清元集(明治42年) [#f323f303]
(資料の題名『文屋の康秀』) 

(松井幸三述)

『烏帽子着た、鷹の羽おとしきよろ/\と、小鳥めがけてひとのしに、其の人柄も康秀が、裳裾にじやれる猫の恋
『とゞかぬながらねらひ来て、行をやらじとコレ待つた
『あだ憎らしい何ぢやいな、お清所の暗紛れ、晩にやいのと耳に口
『むべ山風の嵐ほど、どつと身にしむ〔合〕嬉しさも〔合〕
『秋の草木かしほ/゛\と、一人寐よとは男づら、鮑の貝の片便、情ないではあるまいか
『寄るをつき退けこりやどうぢや
『鼻の障子へたまさかに〔合〕
『葱のかほる仇つきは〔合〕
『時候違ひの鰒汁で、一人ばかりか盛換を、強ひ付けられぬ御馳走は
『そも/\お辞儀は仕らぬ、是を思へば少将が、九十九よ/\思ひつめ〔合〕
『傘を〔合〕かたげて丸木橋やおつとあぶない〔合〕すでの事鼻緒は切て片足ば〔合〕ちんが〔合〕ちが/\オヽ冷た
『其の通ひ路も君故に〔合〕衣は泥にあかつきの、すご/\帰る〔合〕憂き思ひ、ならぬながらも〔合〕我が恋は〔合〕
『末摘花の名代を、つき付られて〔合〕恥かしい〔合〕
『地下の女子の口癖に〔合〕
『田町は昔今戸橋、法印さんのお守も
『寐かして猪牙に柏餅、夢を流して隅田川〔合〕
『男よけならそつちから、頬は高間がはらの上、乗せる手ごとはお断り
『逃げんとするを恋しらず
『引とめるのを振払ひ
『イヤ/\/\逢ふ恋
『待つ恋
『忍ぶ恋
『駕籠は
『シテこい〔合〕
『萌黄の蚊帳〔合〕
『呼んでこい
『ぎつちり詰つた脂煙管、笑凹のいきのうくばかり、是ぢやゆかぬと康秀が
〔三下り〕『不二や浅間の煙は愚〔合〕衛士の焚く火は沢辺の蛍、焼くや藻塩で身を焦す、さうぢやへ
『合縁奇縁はあじなもの、片時忘るる暇もなく、一切からだも遣る気に成つたわいな、さうかいな
『花に嵐の色の邪魔、寄るをこなたへ遣戸口、なか殿さしてぞ走り行く/\
**国書刊行会『徳川文芸類聚』 俗曲上 第九 「柏葉集」 [#s6ed2630]
(目次の題名『〔六歌仙のうち〕文屋の康秀』本文の題名『六歌仙容彩』『〔六歌仙の内〕文屋の康秀』)

(作者 松本幸二)

「烏帽子きた〔合〕たかの羽おとしきよろ/\と〔合〕小鳥めがけてひとのしにその人がらも康秀がもすそにじやれる猫の恋
〔芝翫出〕「とゞかぬながらねらひ来て行くをやらじとコレ待た
「あたにくらしいなんじやいなお清所のくら紛れ晩にやいのと耳にロ
〔カン〕「むべ山風のあらしほどどつと身にしむ〔合〕うれしさも〔合〕
「秋の草木かし/゛\とひとりねよとは男づらあはびの貝の片だより情ないではあるまいか
「よるを突のけコリヤどふじや〔合〕
「はなのせうじへたまさかに〔合〕
「ねぷかのかほる仇付は〔合〕
「時候違ひのふぐ汁で一人ばかりか盛かへをしい付られぬ御馳走はそも/\おじぎは仕らぬこれを思へば少将が九十九夜々々々々思ひつめ〔合〕
「かさを〔合〕かたげて丸木橋やおつとあぶない〔合〕すでのこと鼻緒は切れて片足は
「ちんが〔合〕ちがちがヲヽつめた
「その通ひ路も君故に衣はどろにあかつきのすご/\かへるうき思ひならぬながらも我恋は〔合〕末摘花の名代をつきつけられて〔合〕はづかしい
「地下の女子の口癖に
「田町はむかし今戸ばし法印さんのお守も
「ねかして猪牙に柏餅ゆめをながして隅日川〔合〕男よけならそつちからほうは高まがはらの上のせる〔合〕手事はおことはり
「にげんとするを恋知らず
「引とむるのを振払ひ
「イヤ/\/\
「あふ恋
「待つ恋
「しのぶ恋〔合〕かごは
「シテこい
「萌黄のかや
「よんでこい
「ぎつちり詰つたやに煙管ゑくばのいきのうへばかりこれ じやゆかぬと康秀が
〔三下り〕「富士や浅間の煙はおろか〔合〕衛士のたく火は沢辺の螢やくやもしほで身をこがすそふじやえ
「合縁奇縁はあじなもの片時忘るゝひまもなく一切からだもやる気になつたはいな〔合〕そふかいな
〔ナヲル〕「花に嵐の色のじやまよるをこなたへやりど口中殿さしてぞ走り行く。
*その他の情報 [#e5b9b4e5]
天保2年(1831)2月初演 松本幸二作詞 初世清元栄次郎作曲
『桜真砂白波』(くもいのはなまさごのしらなみ)の二番目大切
*関連項目 [#se8860dc]
*タグ [#s3923f53]
#変化物
*分類番号 [#af19186b]
00-1331211-b3n0y100-0001
RIGHT:清元 文屋 歌詞