#author("2016-10-21T11:23:38+09:00","default:Tomoyuki Arase","Tomoyuki Arase")
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*題名 [#h7aefbbd]
長生(ちょうせい)
*本名題 [#b9355c5b]
栄能春延寿(さかえのはるのぶることぶき)
*詞章 [#xd9c35c0]
**声曲文芸研究会『声曲文芸叢書』第3編 清元集(明治42年) [#y8f2a44f]
(資料の題名『栄能春延寿』)

『長生の家こそ
『老せぬかどの和歌和歌と、若水汲の朝わかき、お湯殿始庭竃、煙ぞ今日の初霞、棚引にけり〔合〕一ト刷毛に、絵の書初の熨斗宝珠
『玉の櫛笥に髪飾る、白紅とゑもと結、
『結ぶ縁の妹と背も、命ながかけ諸白髪迄、変らぬ中と睦し月の着衣〔合〕流行模様の伊達小袖〔合〕
『仇と色とを濃い紫の、十九や二十は色盛〔合〕
『なまめく風を姿見に〔合〕
『写せば恋の十寸鏡
『月の眉墨〔合〕花の顔、雪の肌の衣紋つき〔合〕
『かいどりしとゝ振る袂、ゆらな手元につま琴の〔合〕
〔二上り〕『ふきと言ふも〔合〕草の名〔合〕めうがと〔合〕言ふも草の名〔合〕富貴自在徳ありて〔合〕冥加あらせ〔合〕給へや、春の花のきんぎよく、くはふうらくに流花ゑん/\の黄鳥は、同じ曲を囀る
『弾初うたふつれ唄や
『そのいろ糸の音にかよふ〔合〕峰の松風松囃子、四海波静にて/\、国も治まる〔合〕代々のためし、射初長閑に弦の音、射?も菫〔合〕鼓草、春の姿の山笑ふ、笑ふ家には福引の、手に糸遊ぶ綱手縄、真紅の色の厚房や〔合〕飾りたてたるくろの駒〔合〕誰言はねども御召ぞと〔合〕対の口取さめ鞘を、踵うたせて落し差、揃ふ奴の声そろへ
『二人つん/\連立ち、サア/\行べいサア行べい、嬉し目出度のナ日の出まばゆき〔合〕金覆輪の〔合〕鞍は梨地の?にあをり〔合〕手綱かい繰りしつとん/\〔合〕りうぐちきりを乗廻し、くるり/\くる/\/\と〔合〕車にあらぬ輪乗の拍子と〔合〕轡の音がりん/\がら/\、りんがら/\〔合〕はいどう/\、はい/\/\、扨々見事なお馬乗初勇ましき
『勇む春駒芦原の、国も目出度き青海波、亀の齢の万々歳、尽せぬ御代こそ目出度けれ。
**国書刊行会『徳川文芸類聚』 俗曲上 第九 「柏葉集」 [#i624ab12]
(目次・本文の題名『栄能春延寿(長生)』)

「長生の家こそ
「おひせぬかどの若わかと〔合〕〔地〕若水くみのあさわかき〔合〕おゆどのはじめ。庭かまど煙ぞけふの。初霞〔長地〕たなびきにけり一トはけにゑのかきぞめののし宝珠。
〔●〕「たまのくしげにかみかざるしろくれないとゑもとゆい
〔▲〕「結ぶゑにしの。いもとせも命ながかけもろしらが迄かはらぬ中とむつまじ月のきそはじめ〔合〕はやり模役の。だて小袖〔合〕
〔●〕「仇と色とを。こい紫の十九や二十は色ざかり〔合〕
〔▲〕「なまめくふうをすがた見に〔合〕
〔●〕「うつせば恋の。ます鏡月のまゆずみ花のかほ雪の肌の〔ヨイ〕ゑもんつき〔合〕
〔長地〕「かいどりしとゝ。ふるたもとゆらな手元につまごとの
〔二上り〕「ふきといふも草の名〔合〕めうがといふも草の名〔合〕ふき自在とくありてめうがあらせ〔合〕給へや〔合〕春の。花の。きん玉。くわふうらくに柳華苑〔合〕柳華苑の鶯は同じ。曲をさゑずる
〔ナオル〕「ひきぞめうたふつれうたやその色いとのねにかよふみねの松風松ばやし〔合〕四海浪風しづかにて/\。国も治る代のためし射ぞめのどかにつるのおとあづちもすみれつゞみぐさ春の姿の山笑ふ家にはふく引の手に糸あそぶつなでなは。しんくの。色のあつぶさや〔合〕飾り立たるくろの駒たれいはねどもおめしぞと〔合〕〔道具屋〕ついの口とりさめざやをかゞとうたせておとしざし。そろふ奴の声そろへ
〔二上り〕「ふたりつん/\つれだちサア/\行べいサア行べい。うれしめでたのナ日の出まばゆき金覆輪の〔合〕鞍は梨地のあぶみにあおり〔合〕たづなかいぐりしつ
とん/\りうぐちきりをのり廻しくるり/\くるく
/\と車にあらぬわのりのひやうしと〔合〕くつわのおとがりん/\がら/\りんがら/\〔合〕はいどうどう。ハイ/\/\さて/\見事な御馬のりぞめいさましき
〔ナオル〕「いさむはる駒あしはらの国もめでたき青海波。亀の齢のばん/\ぜい。つきせぬ御代こそめでたけれ。
*その他の情報 [#mfa790f0]
寛延元年(1748)1月の『歳朝嘉例寿』(としのあしたかれいのことぶき)が原曲
原曲は松平南海候松平宗衍作詞 富本豊前掾作曲
*関連項目 [#s57f7888]
*タグ [#y07ede8d]
*分類番号 [#s7e265ef]
00-1331211-t2y5a3s4-0001
RIGHT:清元 長生 歌詞