京鹿子娘道成寺(長唄) - 純邦楽詞章集

題名

京鹿子娘道成寺(きょうがのこむすめどうじょうじ)

別題

娘道成寺(むすめどうじょうじ)

詞章

声曲文芸研究会『声曲文芸叢書』第2編 長唄集(明治42年)

(目次題名『娘道成寺』)

〔三下り〕『鐘に恨は数々御座る、初夜の鐘を撞く時は、諸行無常と響くなり、後夜の鐘を撞く時は、是生滅法と響くなり、晨鐘の響は生滅滅為、入相は寂滅為楽と響くなり、聞て驚く人もなし、我も後生の雲晴て、真如の月を詠め明さん
〔二上り〕『言はず語らぬ我が心、乱し髪の乱るも、つれないは唯移気な、どうでも男は悪性者
『桜々と諷はれて、言て袂の訳二つ、勤めさへ唯うか/\と、どうでも女子は悪性者、都育は蓮葉なものぢやへ、恋の別ざと武士も道具をふせ編笠で、張と意気地の吉原、花の都は歌で和らぐしき嶋原に、勤する身は誰と伏見の墨染、煩悩菩提の撞木町より、浪花四筋に通い木辻に、禿立から室の早咲、それがほんに色ぢや、一イ二ウ三イ四ウ夜露雪の日下の関路も、共に此身を馴染重ねて、仲は丸山たゞ丸かれと、思染めたが縁ぢやへ
『梅とさん/\桜は何れ兄やら弟やら、わきて言れぬ花の色へ
『あやめ杜若はいづれ姉やら妹やら、わきて言れぬ花の色へ、西も東もみんな見に来た花の顔、さよほへ、見れば恋ぞ増すべさよおへ、可愛らしさの花始
『恋の手習いつ見ならいて、誰に見しよとて紅鉄漿つきよぞ、みんな主への心中立、オヽ嬉し/\、末は斯うぢやに然うなるまでは、とんと言はずにすまそぞへと、誓紙さへ偽か嘘か誠か、どうもならぬ程逢ひに来た、ふつつり悋気せまいぞと、矯んで見ても情けなや、女子には何がなる、殿御/\の気が知れぬ/\、悪性な/\気が知れぬ、恨み/\てかこち泣、露を含みし桜花、さはらば落ん風情なり
『面白や四季の眺や、三国一の不二の山、雪かと見れば花の吹雪か吉野山、散りくる/\嵐山朝日山/\を見渡せば、歌の中山石山の、末の松山いつか大江山、いくのの道の遠けれど、恋路に通う浅間山、ひと夜の情有馬山、いなせの言の葉あすか木曽山待乳山、我が三上山祈り北山稲荷山、縁の結びし妹背山、二人が中の黄金山、花咲ゑいこの/\姥捨山、峰の松風音羽山、入相の鐘を筑波山、東叡山の月の顔、三笠山只頼め氏神様が可愛がらしやんす、出雲の神様と約束あればつひ新枕、廓に恋すれば浮世ぢやへ、深い仲ぢやと言い立てゝ、こちや/\/\よい首尾で憎らしい程いとしらし
『花に心を深見草、園に色よく咲初て、紅をさすが品よく姿よく、あゝ姿優しやしほらしや、さあ/\そふぢやいな/\、五月五月雨早乙女/\、田植唄/\、裾や袂を濡したさつさ花の姿の乱れ髪、思へば/\恨めしやとて、龍頭に手をかけ飛よと見へしが、引被いでぞ失にける、うたふも舞ふも法の声、エヽ何でもせい/\、春は花見の幕ぞ床しき、夏は屋形の舟ゆかし、よい/\よい/\/\ありやりやこりやりやよいとな、秋は武蔵の月ぞゆかしき、冬は雪見の亭ゆかし、よい/\よい/\/\ありやりやこりやりやよいとな、浮に浮れて第一宇宙に迷ふた、懺悔/\六根罪障、南無不動明王/\、アヽ何でもせい/\、動くか動かぬか、なまぐさばんだばさらんだ、こりや動かぬぞ真言秘密でせめかけ/\、琉数のありたけやつさらさ/\、せんだまかろしやな何のこつちやへ、そはたらうんたら何のこつちやへと祈りける
『謹請東方青龍清浄、謹請西方白体白龍、一体三千大千世界の恒沙の龍王哀愍納受哀愍自謹のみきんなれば、何国に恨のあるべきと、祈り祈られ飛上り、御法の声は金色の花を降らせし其の姿、実にも妙なる奇特かや

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#道成寺物 #物尽くし(山)

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データ入力日:2016/05/11

長唄 京鹿子娘道成寺 歌詞