題名

外記猿(げきざる)

別題

外記節猿,猿(げきぶしさる,さる)

詞章

声曲文芸研究会『声曲文芸叢書』第2編 長唄集(明治42年)

(資料の題名『外記節猿』)

(杵屋三郎助述)

『罷り出たる某は、ずんと気軽な風雅者、日がな一日小猿を背に、背負ひ続けてナ姿如法やなん投頭巾
『夜さの泊りは何処が泊りぞ、奈波か名越か〔合〕
『室が泊ぞ/\
『泊を急ぐ後より〔合〕
『小猿廻せや猿廻しオヽイ/\と招かれて、立帰りたる半町あまり、玄関構し門の内、女中子供衆とり/゛\に、所望/\の詞の下、猿の小舞を始めけり
『ヤンラ目出度や/\ナ、君が齡は長生殿の、不老門の御前を見れば、黄金の花が咲や乱るゝ/\、旦那の御前でお辞儀をせ、ころりとせ転りや/\やつころりと、子持寐姿お目にかけや、さつても粋な品物め
『是は浪花に浮名も高き、河原橋とや油屋の、一人娘にお染とて、年も二八の恋ざかり、内の子飼の久松と、忍び/\に寐油を、親達の夢にも白絞、サア浮名の立つは絵双紙へ
『松の葉越の月見れば、暫し曇りて又冴ゆる、月は片われ宵の程、船の中にはなにとおよるぞ、苫を敷寐の楫枕、ひんだの踊は一ト踊
〔二上り〕『五月五月雨苗代水に、裾や袂を濡してしよんぼり/\と、植い/\早乙女
『実に面白や踊るが手元、辰巳午や春の小馬が鼻を揃へて参りたり/\
『猿に烏帽子を着せ参らせて/\、いさむ神馬の手綱をとらせう、手綱取らしよのんほのふいよへ
〔本調子〕『一の幣立て二の幣立て、猿は山王まさる目出たき/\〔合〕
『獅子と申はすみ/\すみ/\/\/\、住吉八幡普賢文殊のめされたる、猿と獅子は御しゆしよの物、アレ音楽の声諸法実想と響き申せば、地より泉が奏上して、天より宝が降り下る、尚千秋や万歳と、俵を重ねめん/\に、楽しうなるこそ目出度けれ、楽しうなること目出度けれ

タグ

#外記節 #猿

分類番号

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データ入力日:2016/05/11

長唄 外記猿 歌詞