題名

女車引(おんなくるまびき)

本名題

五諸車引哉袖褄(ごしょぐるまひくやそでつま)

詞章

声曲文芸研究会『声曲文芸叢書』第3編 清元集(明治42年)

(資料の題名『五諸車引哉袖褄』)
(資料の題名読み「ごしょぐるまひけやそでつま」)

『色香争ふ車引〔合〕酒の機嫌かほんのりと〔合〕顔は桜になる目元、笑ひ上戸の梅にはかへて〔合〕味に強ねたる松の癖
『アリヤ/\〔合〕コリヤコリヤ〔合〕
『三人で二升三升五所車、戯が嵩じてめり/\/\
『影をのみ見かはすばかりつれなきと、源氏の文を繰返し、翠簾の追風〔合〕恋車、酒が嵩じて喧嘩の種よさ扱に成済した、しやん/\/\と取なり可愛らし
『喧嘩過ての俚諺に、しかも鉄棒〔合〕二階を廻らしやりませうに〔合〕引かへて、艶めく声に人さんの、捨鉢者とおつもりが、あらば何うせう斯うなつて、しやうも色のお許を〔合〕
『惚て惚られて合惚とやら、とゞつまりは何うなさる
『お世話を焼くや〔合〕藻塩草、身の要心と言ひつゝも、重たい物を手古摺て、すぢりもぢりて来りける
『摘草やほんの嫁菜の兄弟が、思ひ/\の料理草〔合〕
『古来稀なる七十の、賀の祝とて昨夜から、雑煮の仕度提灯で、もちと精出せ合点ぢや
『梅の殿振木振も粹な、殿御待つ身と春告草と、こちは遣瀬がないわいな
『八重に桜の仇名草、床し/\の積りて雪の〔合〕待つの操を立通し〔合〕変らぬ縁の千代見草、米炊味噌摺ぐわら/\/\女同士の水仕業、さても賑し面白や
『思ひ寝の誰にかたとへ自が、及ばぬ恋のかこち草、いつか逢瀬を神さんへ、無理な願をかけまくも
『それではゆかぬ是斯うと、した/\下々の口説き方、常から主の仇な気を
『知つて居ながら女房に、なつて〔合〕見たいの欲が出て、神や仏を頼まずに、義理も糸瓜の革羽織、親分さんのお世話にて〔合〕渡りもつけて〔合〕是からは、世間関はず人さんの、前憚らず引寄て、楽しむ内に又外へ、しかも先月気紛れな、時分外れの雷が〔合〕ごろついた折オヽ恐と、釣たる蚊帳が縁の端〔合〕それから闇と口癖に、森の小烏我は又、尾羽をからすの羽根ばたき
『なぞと彼奴が得手物の、ひやかし唄を夕薬師〔合〕色観音や取持の、地蔵の顔も三度目は、道行気取で二人連
『御代は目出度のナンナアナエこれはいな
『若松様よ
『おやもさ/\〔合〕鹿島浦にはナンアナエこれはいな
『サアちへぼさゑコレハちよんねがナアン/\ヨ
『サア黄金柄杓でサア水さ汲ませうなナアン/\
『そんなら誠に是が今年のナアンナエナアエ
『これはいな、お暇乞のかん鹿島
『ヤレこれが今年のナアンナエナアエ
『これはいな、お暇乞のかん鹿島
『エヽやれヨオイ
『ぬれて見よかし目せき笠
『恋の言葉を傘によそへて言なら〔合〕ぬれてしつぽり心のたけを、わつて轆轤のゑにしさへ〔合〕いとし/\と焦れてそして、晴れて青紙楽しみに、いつかは君が軒の妻、それも誓ひし神さんの、結ぶ縁ぢやないかいな、睦ましや
『袖をつらねて万客の、夜毎にひかれ車引、評判吉原栄へける

分類番号

00-1331211-a5n0n1k3-0001

音源(宣伝枠)


データ入力日:2016/05/17

清元 女車引 歌詞